時代に適応した新しいアプローチ、また新しいシステムが、多くのモノゴトに必要とされていると最近つくづく感じています。
ブランディングに絞って考えてみると、CI(Corporate Identity)とひとくくりに呼ばれていた時代は、シンボルマークを際立てることが命題でしたが、今現在そのようなアプローチはあまり見受けられません。実際、スマートフォンを始めとする電子メディアの普及により、ブランディングの新しい「基準」が既に打ち出されています。
例えば、フレキシブルに使用可能なマークとそのオリジナルフォントセットでの展開など、中心となるヴィジュアルとその周辺要素を組み合わせ、効果的で汎用性のあるシステムとして、アイデンティティを確立しようとする例が数多く見られます。統一感は変わらず必要になりますが、ガチガチに固められたルールに沿うものではなく、組み合わせによりエッセンスをうまく引き出して行くようなアプローチとシステムです。
今年の始めに発表された、イタリアの人気サッカーチーム、ユベントスのブランディング(写真参照)は、まさに上述のとおりです。伝統を継承しつつも敢えてサッカー然としないシンプルなマークで差別化を図り、加えてオリジナルフォントでの様々な展開によってアイデンティティの確立を目指しています。
新しいデザインに対してファンからの厳しい意見もあるようですが、ビジョンを感じられる潔いアプローチのブランディングだと認識しています。
時代とともに変化していくのがデザインの使命、またそれが醍醐味でもあるので、このようなアプローチは仕事の上でとても刺激になりますし、自分も具現化できるように頑張ろう!と思います。