Vignelli

懐古趣味という訳ではないのですが、何かと古いものに引かれる習性がある気がします。思いつくだけでも、古着、古い車、古い家具等々、すらすらと出てきます。

よくよく考えてみると、古いものに引かれるのではなく、引かれるものに古い場合が多いだけなのですが、デザインに関しても同じような感覚があるようです。この時代を反映した斬新なデザインにも敏感ではいますが、いまでも70年代のロックや90年代のグランジを聴くのと同じように、その「古い」デザインに目が行くことが多いです。好きだから。と言えば、それまでなのかもしれませんが。

Massimo Vignelliという、60年代後半から活躍をしてきたグラフィックデザイナーがいます。残念ながら昨年に他界してしまいましたが、彼の残した作品と影響は計り知れません。表現として、分かりやすく且つ力強い。個人的にはそこが好きです。

過去との比較は全く意味を持たないかもしれませんが、Timelessという言葉があります。彼もこの言葉を使いましたが(下のイメージ参照)、普遍とか色褪せないという意味です。すぐ何かに取って代わられたり、Twitterのタイムラインが流れるよう情報が過ぎ去ってしまう世の中です。そんな中、現在まで残ってきた意味、残ってきた理由は何なのか。言うまでもなく、時代に関係なく魅力的で、色褪せないデザインだからだと思います。

社会の変化に伴い、デジタルが主流の今に適応した「新しい」デザインは魅力的です。同時に、長い間戦い残ってきた力強いデザインも、自身にとっては同じ位魅力的です。

Timelessと言葉では言えますが、なかなか簡単に生み出せるものではありません。けれども、そんな所にたどり着けるよう、先人達のデザインに変わらず目を向け刺激をもらいつつ、自身の活動も出来るといいなと思っています。

Source: Vignelli Associates